大阪市立東洋陶磁美術館〜リニューアル後レポート〜

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今回は2024年10月に大阪市立東洋陶磁美術館を訪れた時の感想をまとめました。

当美術館は2024年4月にリニューアルオープンし、『シン・東洋陶磁―MOCOコレクション』と題しコレクション展を実施していました。MOCOとは(The Museum of Oriental Ceramics, Osaka)、つまり大阪市立東洋陶磁美術館のことだそうです。

私は大学生の時に関西の大学に通って美術史を学んでいたので、在学中何度も足を運びました。今回は約10年ぶりの訪館となったので懐かしさと圧倒的なコレクション量に感心しながらゆっくりアート探訪してきました。

そもそも大阪市立東洋陶磁美術館は世界有数の東洋陶磁を有しており(令和6年3月現在5,732件(国宝2件、重要文化財13件、重要美術品9件))、これは間違いなく世界第一級のコレクションの質と量ですが、アートが好きな方でもあまり知っている人が多くない印象の美術館です。陶磁器という分野が、少し堅苦しくとっつき辛いイメージがあるせいかもしれません。私は大学時代に柿右衛門様式について卒論を書いたので、大好きな分野ですが世間的には少数派かもしれませんね。

大阪市立東洋陶磁美術館のコレクションは、「安宅コレクション」という、安宅産業株式会社の会長であった安宅英一氏が収集したコレクションと李秉昌氏(イ・ビョンチャン)が寄贈した韓国陶磁器群が中核をなしており、そのほか美術館が独自に収集した日本の陶磁器と近現代陶磁器で構成されています。

今回のリニューアルの個人的な目玉は3つあって、まず1つ目は国宝「油滴天目茶碗」を360°見渡せるように専用独立展示ケースを導入したことです。

作品の下に鏡を置くことであらゆる角度から作品を鑑賞できて、素晴らしい発想だなと感じました!この作品の展示の仕方が一般的になったら良いのになと感じた次第です。

2つ目のリニューアルポイントは、カフェのリニューアルオープンです。KITONARI(キトナリ)という名前で、陶磁器(トウジ「キ」)の美術館の「トナリ」にあるという意味でこの名前なんだとか。素敵ですね。こちらのカフェでは美術館所蔵の国宝や重要文化財指定の収蔵品をドリンクやスイーツにアレンジしており、定番の6種類のコラボスイーツに加えて展覧会時期限定のメニューも販売しています。

café   KITONARI(キトナリ)

café KITONARI | 大阪市立東洋陶磁美術館ミュージアムカフェ
大阪市立東洋陶磁美術館内にあるミュージアムカフェ「café KITONARI(キトナリ)」です。美術館にご入館いただかなくても、どなたでもご利用いただけるカフェです。収蔵品をモチーフにしたユニークなドリンクやスイーツをご用意して、皆様のお越...

私は陶片クッキー(500円)とアイスコーヒーを注文しました。美術館に併設されているカフェはお高いところも多いですが、こちらのカフェはお値段もそこそこでコラボメニューが食べられるところが良いなと感じます。チケットを持っていなくてもカフェは利用可能なので、気になる方はぜひ行ってみてくださいね。

3つ目は特に美術館側がアピールしていたことではありませんが、マスコットキャラクターができていたことです。

この子は虎の「mocoちゃん」18世紀の朝鮮半島で製作された「青花 虎鵲(かささぎ)文壺」をモチーフにしたキャラクターです。とても可愛らしいですね。まだグッズ化などはされていないようなので、個人的にはぬいぐるみや付箋など販売してもらえるととても嬉しいです。絶対に買います。笑

リニューアルしてさらにパワーアップした大阪市立東洋陶磁美術館、東洋陶磁の名品が多く展示されているので陶磁器について詳しく知らない人にこそぜひ訪れてほしい美術館です。

参考文献:大阪市立東洋陶磁美術館 安宅コレクション 名品選101 (2023年)

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